お風呂に入ると肌がブクブクになるけど,なんで?

角質のすき間に水分が入って「皮が伸びる」からです。
水分が抜ければもとの大きさに戻ります。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1214973447?fr=rcmd_chie_detail

とあるわけですが,確かにそうだと思う.
でも,風呂と海じゃその度合いって違うよね?そう思うのって俺だけ?
でもググってもそれらしき文章が出てこないなあ

でも浸透圧πは
πV=nRT
だから、飲料の塩分濃度が薄いほうが、人間の細胞に水がしみこみ易いですよね?

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1010714315?fr=rcmd_chie_detail

とあった.


wikipedia:浸透圧
塩分濃度と比重
wikipedia:濃度
wikipedia:モル
こういうのを参照して,計算してみたけど化学の基本をほとんど忘れてることに涙目.
一応,水と塩(ここでは塩分のみ考える)の分子量18.0[g/mol],58.5[g/mol]を求めた.
また,上記のリンク先にある海の塩分濃度=(28〜35)[g/この塩水1kg]と合わせて,
塩が1.11[mol/この塩水1kg],水が16.5[mol/この塩水1kg]と出したが,
電解質の水溶液だとイオンで濃度を考えなきゃならない,みたいな記述を見かけたので,諦めて別アプローチをすることにする.
そもそもこの塩水1リットルあたり何kgなのか分からないと,[mol/kg]からモル濃度[mol/リットル]に直せない...
# モル濃度はwikipedia:浸透圧の式に必要.


浸透圧π=(nRT)/Vなんだから,V一定としてnとTだけの変化でπがどの程度変化するかを考えればいいか.
風呂のほうが海より温度(T)は高いけど,海のほうが風呂より濃度(n/V)が高い.
n(海)とn(風呂)の比と,T(海)とT(風呂)の比がどの程度,π(海)とπ(風呂)に影響するかを考えると,
Tはどちらも(ケルビンなので)高い数のあたりで280ケルビン-310ケルビンくらい違うのに比べて,
n(風呂)は多分0に近いと思うので,n(海)とn(風呂)の比はかなり大きく(小さく)なると思う.
それじゃここでTの影響を無視して,nだけでπの比が求まるとしたら,
π(風呂)∝n(風呂),π(海)∝n(海)なわけで,濃度が大きい方が浸透圧が高くなる.
ということは,海の方が浸透圧が高いと,一応結論づけることができるのではないか.


ところで浸透圧に違いがある場合,間に半透膜(wikipedia:浸透圧を参照)を挟むと,濃度が高い方から低い方へ浸透圧が働く.
浸透圧が固定されている場合(ここでは細胞膜;固定されているよね?),この両者の圧力を平衡状態にするために,半透膜を通り抜けられる大きさである溶媒が移動し,濃度が調整される.


半透膜の式をもう一度見ればわかるが,溶質(n)が移動できない以上,Vが大きくなることで濃度(n/V)が小さくなる.
つまり,濃度が大きいほうには小さいほうから溶質が流れ込む.
ということは,風呂の濃度が細胞の濃度より低い場合には,風呂の水が細胞の中に浸透する.


したがって,海より風呂の方が濃度が低いことによって,ブクブクしやすいことが言える.
# 風呂よりも細胞の方が濃度が高いから,こうなるけど
# 濃度が高い海だと,逆向きに浸透して脱水症状とか起きたりするのかしら...


関連:google:水中毒